昨日は、延会となっていた福祉文教委員会が再開されました。
平成26年度豊明市一般会計補正予算書(第5号)のうち福祉文教委員会に付託されていた所管部分の最大の問題点であった
債務負担行為補正
大学等入学支援給付金事業について審議されました。
大学受験生徒に対して、一人30万円、最大12名の給付金を配布するという政策です。昨日の委員会の中で明らかになったのは、
入学金が用意できないような経済的理由で、大学進学を辞退している高校生の数は把握していない。
「13名以上申込があったら、12名にもれた学生は諦めてくださいと言うのか」という問いに「そうです」との回答
「4週間の市役所におけるインターンシップを拒否した場合、ペナルティーで30万円返還してもらう。」「大学中退者には、ペナルティーは課さない」との回答。
では、「大学入学後1年半で、インターンシップする前に退学した場合のペナルティーは」、という質問には「30万円の返還義務はない」とちぐはぐ。
また、「2週間×2回=28回のインターンシップは、苦学生にとって負担にはならない」と言い切りました。
経済的事情で奨学金を受けて学生生活を送っている学生さんは、大多数がアルバイトをしています。28日の豊明市役所でのインターンシップ(8時30分~17時15分)が、そんな学生の負担にならないと聞いて、そんなバカな、という思いで聞いていました。
成績優秀の生徒に限るのか、経済的に生活が困窮している家庭への支援なのか、インターンシップのための政策なのか、という質問に対しても、全てです。など答弁が二転・三転していました。
12名の根拠は、事業仕分けで廃止・民営化の対象となった「中学生海外派遣」と同金額を見込んだ。という実に積算根拠が薄弱な答弁しか帰ってきません。
いつものように市長の思いつき予算を副市長以下部課長が、苦しい言い逃れを繰り返す姿を見て、上司からいわされた感が透けて見え、心情を斟酌すれば気の毒な部分もありました。
本当に必要だと思うのなら、なぜ26年度当初予算に組み入れてこないのか?
ちぐはぐな答弁に整合性は全くありませんでした、まさに思いつきの債務負担行為です。
新規事業です。データをしっかりそろえて、根拠や成果を見込んで、議案の正当性を構築しる。その過程が欠落しています。
その上で議案上程するのが筋です。説明がかわるような議案は、「生煮え予算・議案」そのものでした。
これでは、30万円のお金がもらえる12名と、それ以外の生徒の格差の増長につながりますし、過度のインターンシップは、生活が苦しい学生の負担につながります。
その後、他の会派議員から修正案が提案されましたが、修正議案については、急な提案だったので、委員会だけでは十分な審議できません。
よって、趣旨は賛同できるので、もっと規則の内容をしっかり精査すべき、という11月28日までの審査期限の延長動議が提案され、賛成多数によって福祉文教委員会は延会となりました。
本日は、本会議最終日です。福祉文教委員会が延会となっていますので、豊明市一般会計補正予算(第5号)の報告が出来ませんし、当然予算執行が出来ない事態に陥ります。
直ちには、予防接種(肺炎球菌ワクチン・水痘ワクチン)など市民生活に直結する補正予算が執行できなくなります。
このような生煮え議案を、いつものように、悪いのは議会だ!!と突っぱねるのかは、市役所サイドの腹一つです。
今日は豊明市内の中学校運動会ですが、明日に順延されます。というか、されるでしょう。たぶんですが、
★債務負担行為とは
予算の内容の一部をなすものだが、債務負担行為は歳出予算には含まれない。つまりこの債務負担
行為は、支出の原因となる契約等の債務を負担するだけの権限に基づく行為であって、現金支出を必
要とするときには、あらためて歳出予算に計上しなければならない。これを現年度化という。継続費で事
業を行うよりこの債務負担行為を利用するほうが多くなっている。
ところがこの現年度化をいつ行うかは財政運営上の便宜にゆだねられている。高度経済成長期には、
予算規模を大きく拡大しないために、あるいは財源不足が見込まれるときに、この債務負担行為の予算
で定められた事項と限度額を利用し、用地造成や学校施設の建設を先行して実施し、次年度かその年
度末の歳入の自然増収によって現年度化することがあった。実質的なヤミ起債と指摘されるものであ
る。