3月議会最終日に提出された核兵器禁止条約署名の批准を求める意見書については、討論はしませんでしたが、わたしの核・安全保障に関して個人的意見・見解です。
北朝鮮情勢や各国の思惑が交錯する中、世界情勢が混沌としている時期に出すべきではないというものです。この部分は会報にもしっかり書かせていただきました。
本日、2018春号 三浦桂司後援会だよりが到着する予定です。
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まず、なぜ核兵器が存在するのか、核兵器において、地球を破滅させようと思い、核開発をしたのではなく、威嚇(いかく)の延長線上にあると思います。
わたしは戦後73年、憲法だけが日本を守ったのではなく、自衛隊や日米安保が、日本を戦争に巻き込まれない国にしていた、という考えを持っています。
国際社会や外交は、魑魅魍魎の世界で、アメリカの核の傘に守られながら、核を無くしましょうという意見書でしたが、いまの日本の立ち位置は、北朝鮮を始め、中国との尖閣諸島、韓国との竹島、ロシアの北方領土問題を抱え、核保有国に囲まれた、地政学的な位置にあります。
このような状況下、世界最強の軍事力を誇る日米安保のおかげで、他国の侵略を防いでもらっている現実があります。卑屈になるわけではありませんが、アメリカとの関係が弱まれば、確実に我が国に危機が強まります。
世界の進む道は、核兵器を持たず、使わず、核不拡散体制を維持しながら、核軍縮を進めなければならないムズカシイ舵取りとなっています。
今のトランプ政権は何を言い出すか予想不可能な政権で、鉄鋼・アルミニウムに関税を課す方針を表明し、欧州連合がジーンズや、オートバイに対する報復措置の策定を進めていることを明らかにして、貿易戦争の様相を呈してきました。
核兵器禁止条約に批准して、アメリカに迫れば「核の傘で守ってやっているのに、日本の安全は日本で守れ」と言われないとも限りません。そう言われたら日本はどうするのでしょうか。
韓国のように徴兵制を引いたり、中国のように軍事費を数倍に増やして、自己防衛を強化する選択があるのでしょうか。
日本が、かつて領土拡大のため、侵略に出た歴史をどのようにひも解くのかも大切です。そのような反省も踏まえ、豊明市も昭和50年平和都市宣言をしました、当時は戦争を廃絶すること、かつ平和共存の理念が主たるものでした。
この核兵器禁止条約には、核を持たない122か国が参加しているのは承知していますが、一方で核保有国は参加せず、核の傘の下で平和を守ってもらっている国々は、反対の立ち位置にいます。
先般アメリカは小型核兵器開発、NPR戦略を発表しました。今のアメリカには戦略核ICBMなど射程が長い核付巡航ミサイル兵器しかありませんので、戦闘機から局地的攻撃で射程500キロ以下の戦術核開発へ移行しています。
世界に目を向ければ、悲しいかな、武器を持たない少数民族などが、どのような迫害を受けているのか。政情不安や独裁国家においては、私達が、大量の食品ロスを続けている間に、子ども達は十分な食事や教育を受けられず、幼い時から労働力として重労働させられ、少女たちは10歳を過ぎたころから、わずかな食料を得るために、春を売り、非人間的な日常生活を強いられています。
アメリカのNPR戦略では、核兵器の使用条件を事実上緩和する、通常兵器やサイバー攻撃を受けた場合の反撃で、核兵器を使用することに含みを残しています。意見書には北朝鮮の核兵器開発放棄を迫るうえでも有効と書かれていましたが、
北朝鮮は、非核化に同意しながら、その裏で、核開発を進めてきました。
対話を通じた平和路線が解決策だと思っていましたが、国連決議に明確に違反して核開発を続けた北朝鮮のミサイル、核兵器は、日々近代化しています。
日本は、核と拉致問題を切り離すべきではありません。核兵器禁止条約とともに北朝鮮に対して、核開発を直ちに中止して、拉致被害者を返還すべきである。
それが出来ない限り経済制裁を強化する。」などの強い文言を入れるべきでした。
拉致問題で見られるように、今まで何度北朝鮮に騙されてきたのか。対話のための対話では、拉致された横田めぐみさんは再び日本の国に帰れません。彼女の両親は高齢となっています。
何の罪もないのに、わずか13歳で北朝鮮に拉致され、その船舶の中において「お母さん。お母さん」と泣き叫んだ、13歳の少女の気持ちや、親族を思えば、平和的解決だけでと、声高らかに主張来ません。
北朝鮮は10数分で日本に到着するICBMミサイルが、日本領土を2度に渡り通過しています。北朝鮮の首脳部は、「経済制裁を解除する代わりに核開発をやめた」リビアのカダフィ政権の崩壊を見ています。政権維持のために、核カードを持ったうえでアメリカとの交渉に当たりたいので、どれだけ自国民が飢饉、飢餓で苦しんでも、核ミサイル、核開発をやめないことでしょう。
それは、体制の不利益になりそうだと思えば、たとえ肉親、兄弟であろうと容赦なく粛正する姿が物語っています。
議員は国防や、国民・市民の生命・安全・財産を守るのに必要なリスクと、低下させたときに起きる危険性を考えなければなりません。
現実を直視せず、理想論だけ述べるのは、私の政治信条とは違います。
わたし達の最終目的は、原発を含む全世界の非核化は間違いありません。広島、長崎で世界唯一の被爆国である我が国が、核で威嚇する国に対して、政策変更させるために、対話とともに圧力も必要です。わたしは個人的に、アジア諸国に対して核の傘を協同提供する。自由アジア協同の核を考えるべき時代に入っていると思っています
核兵器禁止条例の意見書は、あくまで核を保有している各国が、核兵器を放棄することを遵守するという前提での話です。
いま日本の外務省が、3月末に核保有国と非保有国との橋渡し役を果たすために、昨年に続いて、核軍縮「賢人会議」を開催します。
この4月の核拡散防止条約の準備会合に向けて、核兵器は必要悪とする核保有国と、ただちに廃止すべきという非保有国が対立する中、提言の取りまとめを目指している最中です。
核兵器廃止に対して、時間がかかっても核保有国の理解を得て、一緒に核なき世界を作っていくことが現実的、かつ理想です。
対人地雷禁止条約のように、市民の発信が国際的な規範になることもありますが、報道によると、この5月に米朝トップ会談が開催されようとしている時期で、その推移を見守るべきです。
以上のような理由において、意見書の文章としては、時期尚早な部分があるので反対といたしました。