議員は、「全国タダで旅行に行けていいなぁ~」という声があります。
現実に今まで全国各地の先進地へ視察に行かせて頂いています。視察の効果として、14年近くの議員生活の中で、ハウス農園で障がい者雇用を実現している千葉県市原市のエスプールプラス市原の視察において、エスプールプラスを豊明市に誘致できたことです。
豊明市議会の会派視察、常任委員会視察(委員会メンバーと職員)、議会運営委員会視察(委員会メンバーと職員)の行政視察に日当はありません。(過去は昼食代として1日1500円の支給がありました)
但し宿泊を伴う視察の場合、一日1万1千円(三大都市圏は1万2千円)の宿泊費が出ます。
宿泊費には、朝食・昼食・夕食・ホテル代金が含まれて、不足分は実費で負担します。
つまり、他県で1万1千円のビジネスホテルに宿泊する場合は、食事代金は実費負担となります。(数年前に1日14,500円から11,000円に値下げしました)
視察先の市町が、地元の市内の宿泊ホテルや、飲食・お土産を購入して欲しいという暗黙の利用依頼はありますし、職員さんも大切な時間を割いて対応して下さるので、視察先のホテルや食事会場を利用するのはエチケットです。
また、全国市議会議長会など、議長会サイドが紹介するホテルは、普段の料金と比べると割高なケースが往々にあります。
旅費計算をする場合、飛行機利用の場合では、(例・九州熊本市へ災害現の現地視察した場合)、電車(JR新幹線)運賃と飛行機運賃の安い方の選択となります。
通常ですと電車のほうが安価ですので、電車移動となりますが、飛行機の早割運賃のほうが安価であれば、飛行機で行くことが出来ます。
早割運賃を利用する場合、相手方市役所の都合もあるので、2か月前には行程を固めておかねばなりません。
会派視察の場合、視察目的や相手方への質問内容は事前に相手方へ連絡しておいて、行程や宿泊ビジネスホテルは議員で担当しています。
例)
会派視察 :大分県別府市/山口県下関市の場合(例)
1月18日PM: 大分県別府市 別府市役所 ともにいきる条例 LGBTのまち
1月19日AM: 山口県下関市 下関市役所経緯/現地視察 ふくふく子ども館について
一日目 別府市 (名鉄・飛行機・バス利用)
別府市役所内で座学(14:00~16:00) LGBTともにいきる条例について


二日目 下関市 (JR・新幹線・名鉄利用)
現地視察(次世代育成支援拠点施設「ふくふく子ども館」) (10:30~12:00)


参加議員は、視察報告書を提出します。豊明市議会ホームページで公開しています。
会派視察 行政視察報告書
三浦桂司
日時: 平成30年1月18日(木曜日)~19日(金曜日)
場所: 大分県別府市、山口県下関市
1月18日(木曜日)午後 大分県別府市 別府市役所
ともに生きる条例について
別府市役所には、論点がずれないように、事前に質問事項を提出しておきます。
豊明市は、平成29年8月22日、ダイバーシティ、誰もが自分らしく生きられるまちをめざして、「LGBTともにいきる宣言」をしました。
そして知的・精神障がいを持つ人が企業の一員として、一般就労(最低賃金以上)できるハウス農園を誘致して、現在84名の知的・精神障がい者が農園で働いています。壁のない社会づくりを目指して、どんな人でも人格を認め合って生活していけるまちにするために、下記の点について、ご教示願います。
記
1、ともにいきる条例が出来た背景は。
2、条例に対する市民の反応は。
3、地域住民、職員への研修の実施状況
4、共生社会への取り組み
5、具体的な障害者雇用への取り組み
6、LGBT誘致セミナーへの取り組み
策定までについて
民間団体からの働きかけが関係していて平成22年障がい者当人、福祉事業所、弁護士、大学教員などで「誰もが安心して安全に暮らせる別府市条例をつくる会」の組織が市町村に差別禁止とともに、自治体に条例制定の働きかけをした。
経過
H23.8~9 |
条例制定に関する意見募集 |
H23.11 |
市長から障害者自立支援協議会への諮問 |
H23.12~H 24.8 |
自立支援条例制定作業部会で議論 |
H24,9 |
障害者自立支援協議会から市へ答申 |
H24.10~12 |
庁舎検討委員会等で議論 |
H24.11.28 |
作業部会と庁舎検討委員会との意見交換 |
H24.12.27 |
庁舎検討委員会で条例素案の策定 |
H25.1~2 |
素案に関する意見募集・タウンミーティング実施 |
H25.4.23 |
市議会議員全員協議会の開催 |
H25.5~7 |
議会構成環境委員会所管事務調査開催 |
H25.9.20 |
第3回定例会で全会一致において原案可決 |
H26.4.1 |
条例施行 |
障がいを理由に不利益な扱いを受けてる差別。
・言語障害のある人にコミュニケーションが取りづらいことを理由に窓口拒否
・障がいのある人は手続きに時間がかかるということで、対応の準備を後回し
・精神障がい・知的障がいのの人へ対応が負担になるという理由で、シンポジウ
ムや会議への出席拒否することなどをしない事。
合理的配慮を怠らず
・障がいのない人が当たり前のように出来ることも、障がいのある人にとって困難を伴う場合を配慮して、いまある制度を変更して調整していく
・親亡き後の問題について「別府市親亡き後等の問題解決策検討委員会」の議論は「親亡き等の問題」解決策検討結果の報告書においても、多くの障がいある人やその保護者にとって、非常に切実な切迫した問題となっている。
【感想】
障がい者も身体、精神、知的障害と個人個人千差万別あり、障がい者の病状などの理解不足が差別につながる要因の一つとなっています。
人は誰もが、年を重ねるに従って身体能力が衰えていき、また不意の事故などにより、いつ、どこで、だれが、障がい者になるか分かりません。
同じ目線で見られるように、自分が嫌だと思うことは他人に強要しないこと。
しかし頭で理解しても、現実に障がい者の人を目の前にすると「可哀想な人」という意識や、身構えてしまう人が多いのが現実です。
障がい者は、ただ可哀想な人であるという概念は捨てるべきで、動ける人にはそのような仕事を、肢体不自由な人には障害に見合った援助をして、互いに助け合うことが必要です。生きていくことに対しての価値や、生きがいを見つけ出して、雇用の拡大や、支援、対策が必要です。
条例があるから住みやすいまちになるのか、差別が無くなるのか、いまの豊明市に条例が必要であるのかと問われれば微妙で、東京都町田市のように議会基本条例がなくても、改革が進んでいることが分るような現実的政策を打ち出して行けば良いのかもしれません。
1月19日(金曜日) 下関駅前 JR下関ビル3階
ふくふくこども館 現地視察
ふくふくこども館は前市長の肝いりで開設され、施設の運営形態は、指定管理(指定管理者:下関こども未来創造ネット)で行われている。
運営協議会の年2回の評価を受けて改善すべきは改善している。市役所とは各月に会議を行い問題のすり合わせをして、年度計画、月報報告書を提出している。
指定管理、契約では1期目は3年だったが、2期目は競争相手がなく、5年契約となった。プレイランドなども作り無償で利用でき市内・市外・他府県からの利用者も多数いる。ふくふくこども館は日本からだけでなく世界からも視察が訪れていて、そのコンセプトは人の勧誘を目的としている。
利用時間 :10時~18時 (水曜休み)
来館者
|
26年度 |
27年度 |
28年度 |
来館者数 |
249,940人
|
186,779人
|
186,629人
|
内プレイランド |
165,913人
|
137,611人
|
138,709人
|
市内 |
72,9%
|
69,8%
|
69,3%
|
市外 |
27,1%
|
30,2%
|
30,7ぇ
|
年齢別来館者
|
0歳 |
1歳 |
2歳 |
3歳 |
4歳 |
合計 |
H26年 |
134人
|
229人
|
212人
|
166人
|
197人
|
938人
|
H27年 |
112人
|
250人
|
193人
|
176人
|
174人
|
905人
|
H28年 |
115人
|
324人
|
229人
|
183人
|
157人
|
1,008人
|
子ども館
未就学児とその保護者を対象にして、原則小学生は受け付けていない。しかし家族に小学生がいる時は受け入れる場合もある。小学生を多くするとトラブルが発生したケースもあって、規制をしている。今の子育て環境は公園など危険箇所や不審者が多いため、暑さ寒さがしのげる安心に遊べる施設として人気がある。また、保育園・幼稚園の遠足コースとしても利用されている。
1、子ども一時預かり制度
申請書 (事前申し込み可能)、内容は当日の体調、家庭での様子を記入
保育スタッフ、基本的に預かり室で対応する。平日1時間500円、日曜祝日は600円で、最大3時間まで預かってくれる。預かった子ども全員に対して、どのように過ごしたのかを保護者に連絡して、パソコンに打ち込んでいる。
2、相談室(保育士・ケースワーカー)システムがあり、巡回相談・個別相談・専門相談・電話相談・メール相談など子育てに関する相談をしている。
3、クリエィティブランド(交流スペース)
食事休憩は、一般の人も利用可能なクリエィティブランド(交流スペース)がある。電気を勝手な利用は禁止で、勉強の消しゴムカスなども持ち帰ってもらうように、正しく利用してもらうのを約束としている。
いろいろな人が出入りするので、危機管理対策として不審な人を見かけると相談員が積極的に声かけなどの巡視を多くしたり、同じ棟にある防災・警備員に依頼したりしている。
4、屋上
年間800万円の賃料(市役所が負担)で、さまざまなイベントを開催している。
運営体制
管理責任者(館長)は児童福祉に精通した職員を配置して、補佐する副館長、子ども関連施設など勤務経験を有する職員を配置して、一時預かりには保育士資格を持つ2名を配置、常勤5名、非常勤15名で運営している。
商業施設があるので施設の協力を仰いで大学生、ボランティアグループ、子育て世帯などもボランティアで手伝ってもらっている。
ただ子どもを見守るだけでなく、職員に対して、国の支援研修を受けさせて自覚を持たせる訓練をしている。我が子がADHD(注意欠如多動性障害は、多動性・衝動性と注意力の障害を特徴とする行動の障害)に気づいていない保護者の相談や対応を手助けする場合もある。
【感想】プロポーザルや指定管理でまかせる場合、ただ市役所職員で運営した場合だけの単価で比較するのではなく、その内容が市民の要望に沿ったものであるのか、利用形態が使いやすいように工夫されているかが重要なポイントです。4年前に訪れた函館市の指定管理施設も、館長さんが本当に前向きで、メニューを増やして自主事業を続ければ続けるほど利益幅が薄れ、運営が厳しくなって
自分の給与をさまざまなメニューに代えてまで運営されていました。
指定管理する側の市役所としても、その部分を十分勘案しながら指名しなければなりません。
指定管理料を、ギリギリまで絞っての競争入札や運営にしては、質の良い業者の人が入札に参加してくれません。その点を十分留意することです。